管理業務主任者の独占業務とは?4つの業務を詳しく解説

管理業務主任者には、マンション管理に関するさまざまな業務があります。

その中でも、管理業務主任者でなければ行うことができない業務があります。

一般に「管理業務主任者の独占業務」と呼ばれるもので、マンションの管理の適正化の推進に関する法律によって定められています。

具体的には、次の4つです。

  • 重要事項の説明
  • 重要事項説明書への記名
  • 契約成立時の書面への記名
  • 管理事務の報告

この記事では、それぞれの業務がどのようなものなのか、なぜ管理業務主任者が必要なのかを解説します。

管理業務主任者の独占業務とは?

管理業務主任者の独占業務とは、管理業務主任者でなければ行うことができない業務を指します。

管理業務主任者の制度は、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に定められています。

ここからは、それぞれの業務について見ていきます。

重要事項の説明

管理業務主任者の代表的な業務の一つが、管理委託契約に関する重要事項の説明です。

マンション管理会社が管理組合と管理委託契約を締結または更新しようとするときには、法律で定められた重要事項について説明する必要があります。

この重要事項の説明は、管理業務主任者が行います。

説明する内容には、例えば、

  • 管理事務の内容や実施方法
  • 管理事務に必要な費用
  • 契約期間
  • 契約の更新
  • 契約の解除

などがあります。

重要事項を説明することで、管理組合が管理委託契約の内容を事前に確認できるようになっています。

管理業務主任者証の提示

重要事項を説明するときには、管理業務主任者は相手方に管理業務主任者証を提示しなければなりません。

これによって、説明を行っている人物が管理業務主任者であることを確認できるようになっています。

重要事項説明書への記名

重要事項の説明を行うだけでなく、重要事項を記載した書面に管理業務主任者が記名することも法律で定められています。

重要事項説明書には、管理委託契約に関するさまざまな事項が記載されます。

管理業務主任者は、その書面に記名します。

つまり、

重要事項を説明する

↓

重要事項説明書に記名する

という2つの業務があります。

重要事項の説明と書面への記名は別の業務ですが、どちらも管理委託契約を適切に締結するための重要な役割です。

契約成立時の書面への記名

管理組合とマンション管理会社との間で管理委託契約が成立した場合には、契約内容を記載した書面を交付します。

この契約成立時の書面にも管理業務主任者が記名します。

この書面には、例えば、

  • 管理事務の対象となるマンションの部分
  • 管理事務の内容・実施方法
  • 管理事務に必要な費用
  • 管理事務の一部を再委託する場合の内容
  • 契約期間
  • 契約の更新
  • 契約の解除

など、法律で定められた事項が記載されます。

契約成立時の書面を交付することで、実際に成立した管理委託契約の内容を明確にしています。

管理事務の報告

4つ目が、管理事務の報告です。

管理業務主任者は、管理組合に対して管理事務の報告を行います。

マンション管理会社が管理組合から管理事務を委託されている場合、管理組合は、委託した業務がどのように実施されているのかを把握する必要があります。

そこで、管理業務主任者が管理事務の実施状況などについて報告します。

管理事務の報告も、管理業務主任者でなければ行うことができない業務の一つです。

4つの独占業務を整理

管理業務主任者の独占業務を整理すると、次のようになります。

業務内容
重要事項の説明管理委託契約を締結・更新する際に、重要事項を説明する
重要事項説明書への記名重要事項を記載した書面に記名する
契約成立時の書面への記名管理委託契約成立時の書面に記名する
管理事務の報告管理組合に管理事務について報告する

このように、管理業務主任者の独占業務は、管理委託契約を締結する前の説明から、契約成立後の書面や管理事務の報告まで、管理組合とマンション管理会社との契約・管理業務に関わっています。

宅建士の独占業務との違い

管理業務主任者と宅建士は、どちらも不動産に関係する資格ですが、独占業務の対象が異なります。

宅建士の場合は、宅地・建物の売買や賃貸などの不動産取引における重要事項の説明や書面への記名などが中心です。

一方、管理業務主任者の場合は、マンション管理会社と管理組合との管理委託契約や、その後の管理事務に関する業務が中心です。

資格主な対象
宅建士宅地・建物の売買・賃貸などの取引
管理業務主任者マンション管理会社と管理組合との管理委託契約・管理事務

同じ「重要事項の説明」でも、対象となる契約や制度は異なります。

そのため、宅建士と管理業務主任者は似ている部分がありながら、異なる分野を担当する資格といえます。

なぜ独占業務が定められているのか

マンション管理では、管理費や修繕積立金などの金銭に関する業務だけでなく、建物や設備の維持・修繕、管理組合の運営など、さまざまな業務が行われます。

また、管理組合とマンション管理会社との管理委託契約は、マンションの管理に継続的に関わる重要な契約です。

そのため、契約内容を事前に説明し、書面によって明確にするとともに、契約後の管理事務についても報告する仕組みが設けられています。

管理業務主任者は、その中で専門的な知識を持つ立場から、契約や管理事務に関わる役割を担っています。

管理業務主任者証の有効期間にも注意

管理業務主任者として独占業務を行うためには、管理業務主任者証の交付を受けている必要があります。

管理業務主任者証の有効期間は5年間です。

有効期間が過ぎた場合、更新によって新しい管理業務主任者証の交付を受けるまで、管理業務主任者でなければ行うことのできない業務を行うことはできません。

資格試験に合格することだけでなく、登録や管理業務主任者証の交付・更新についても理解しておくことが大切です。

まとめ

管理業務主任者には、法律によって定められた重要な業務があります。

主な4つをまとめると、

  1. 重要事項の説明
  2. 重要事項説明書への記名
  3. 契約成立時の書面への記名
  4. 管理事務の報告

です。

これらは、マンション管理会社と管理組合との間の管理委託契約や、その後の管理事務に関わる重要な業務です。

管理業務主任者について学ぶときは、単に「マンション管理の資格」と覚えるだけでなく、どのような場面で資格者が必要になるのかを理解すると、資格の役割が分かりやすくなります。

次の記事では、管理業務主任者が実際にどのような仕事をしているのか、独占業務以外の業務も含めて詳しく解説します。